ひらく

私をわたしと、下さいをくださいといったように平仮名にすることを、ひらくと言う。

私は文章を書くのがそこそこ好きで得意なので、日記やなんかは長々色んなことを書く方だ。
そうすると否が応でも、どこをひらいてどこをひらかないかを考える。致します、有難う御座います、あたりになるとヤカラ気取りが一生懸命取り繕った丁寧文みたいに思えるし(ひどい言い方)、さらにレベルアップして其れ、此方、までいってしまうと厨二。

ひらくひらかないで今でも考えているのが、ほんとうという表記だ。
初めて意識したのはよしもとばななだったと思うが、あちこちでよく見る。ほっこりていねいなくらし、系でも見るし真面目に誠実に系でもよく見る。方向性としては支持しているのにその表記には抵抗があるなあと、ずっと思っている。なぜなんだろうと考えているわけだ。

ほんとうと書くより本当と書く方が、私には本当らしく感じられる。はっきりと言い切る時のスピードが乗っているように感じられるからだという一つの結論は出た。しかしほんとうと書く時の、立ち止まってしっかり考えた雰囲気も分かるんだよな。

発声すれば同じ聞こえ方をするものが、文字にする時の選択で違ったイメージになるのはどうしてだろう。私が好きだ苦手だと感じる根拠はどこなのだ。


なぜ、なぜと辿っていくことで原因を探るのが好きだ。だから自分がなぜ片方を好んで片方は好きでないのか考えるのは面白い。
ほんとうと本当についてはまだ結論は出ない。